江崎 玲於奈 様 【元筑波大学学長、物理学者(ノーベル物理学賞受賞)】

2011.04.18

プロフィール
1947  東京大学理学部物理学科卒業
1947  神戸工業株式会社
1956  東京通信工業株式会社(現ソニー株式会社)
1959  理学博士(東京大学)
1960  米国IBM T. J. Watson研究所
1975  日本学士院会員
1992-1998  筑波大学学長
1998- 財団法人茨城県科学技術振興財団理事長
2000  芝浦工業大学学長
2006- 横浜薬科大学学長

 20世紀最大の発明、半導体トランジスタを生み出したのは、アメリカのベル研究所です。ベルの名は、言うまでもなく、19世紀、電話を発明したアレキサンダー・グラハム・ベルに由来しています。そして、ベル研究所の入口には大きな彼の胸像があり、その下に次のような彼の言葉が刻んであります。

  時には踏みならされた道から離れ、森の中に入ってみなさい。
  そこでは、きっとあなたがこれまで見たことがない
  何か新しいものを見出すに違いありません。

 私は1958年、研究所を訪ねた時、このベルの言葉に感動し、よし、日本の踏みならされた道を離れ、アメリカの森に入ろう。私は自分の力を試そうと武者修行の熱に駆られたのです。その時、私は30代のはじめ、アメリカに渡ることを決断しました。先入観にとらわれない知的自由なアメリカ気風に魅力を感じ、緊張感溢れる研究環境に身を置いたのです。アメリカ人達はエサキダイオードをノーベル賞へ推薦してくれましたし、ナノサイエンスの嚆矢と言われる私の半導体超格子の研究も大いに支援し、高く評価してくれました。このようにアメリカでの研究活動は実りが多く、今日、私があるのはこの修行の賜物です。
 若い皆さん、どうか外国へ武者修行に出かけてください。筑波大学基金も応援します。その成果は必ず期待できると信じます。

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