白岩 裕之 様【株式会社フォアキャスト・コミュニケーションズ 代表取締役社長】

2013.12.04

プロフィール
名前:白岩 裕之(しらいわ ひろゆき)
株式会社フォアキャスト・コミュニケーションズ代表取締役社長
1956年 新潟県長岡市出身
1974年 新潟県立長岡高等学校卒業
1979年 筑波大学第二学群人間学類卒業、日本テレビ放送網株式会社入社
アナウンサーとして主にニュース番組、スポーツ実況を担当
BBC(英国放送協会)出向、IT推進部長、人事局次長兼人事部長、株式会社日テレ7社長を経て、2011年より現職

◆白岩さんは1975年(昭和50年)、人間学類に入学されました。開学2年目の筑波はどんな雰囲気だったのでしょう。
「開拓地」でした。夕方になると、空一面を真っ赤に染めた夕焼けの中を、百羽近い鳥が編隊を組んで飛んで行った様子が目に焼き付いています。当時人気のあったドキュメンタリー番組「すばらしい世界旅行」のアフリカ編を見ている気分になりました。雨の日はぬかるみがひどく、ついついサボりたくなった(実際サボった)のを覚えています。

1年生の頃、授業は殆ど体芸棟で受けていました。著名建築家の設計による体芸棟は、極めて斬新なデザインでしたが、窓ガラスが小さな円形の集合体で、午後の授業では太陽光が屈折して腕に当たり、熱くて居眠りできませんでした。その北の第一学群棟はまだ建設中で、未開のゾーン。学年が進むに連れて校舎が遠くなっていき、更に北の二学棟が完成したのは確か3年生の時だったと思います。

学生の多くは当時新築の寮に住んでいましたが、まだテレビも持たず、せいぜい音楽を聴くのが楽しみでした。寮の部屋からユーミンや井上陽水、かぐや姫の曲が漏れ聴こえてくる、という時代です。先日、随分久しぶりに訪れた平砂10号棟は相当くたびれた風情を見せており、その姿をわが身と重ね合わせて時の遷ろいを実感しました。

学生は味のある元気な人が多かったですね。何しろ都会の誘惑を捨てて開拓地を選ぶ人たちですから、いわゆる青白い優等生タイプは少なかったように思います。体育専門学群の学生数が多かったので余計そんな印象でした。

募集要項表紙
※【開拓半ばの筑波大学〜1975(昭和50)年度募集要項表紙より】

◆卒業後は日本テレビでアナウンサーとして活躍されましたが、小さい頃からの夢だったのでしょうか。

これが全く違うんです。実は私は、自分の進路決定については相当成り行き任せでして、もともとエンジニア志望で、某大学の工学部に入学しました。ところが授業が全然面白くなく、その理由は「人間味がない」からだと思い込み、浪人して人間学類に入学、社会心理学を専攻しました。研究者になろうと思ったのです。

しかし大変なポスト不足で、親も定年だし、さっさと就職しようとマスコミ志望に。コピーライターになるつもりが入社試験で落ちて、ディレクター志望で受けていた日本テレビに内定したのです。ところが、アナウンサーに欠員が出たとの事で、何故か選ばれてアナウンサーになっちゃったという次第。
ですから、今時の若者が起業を目指し粘り強くチャレンジしている姿を見ると、あちこちフラフラしながら進路が決まった私としては、劣等感すら感じてしまいます。ただ、私の場合、誰かが客観的に適性を見ていて適職に導いてくれたのかなと思います。非常にラッキーでした。

アナウンサーとしては、「箱根駅伝」「高校サッカー」などのスポーツ実況と「きょうの出来事」などのニュースを主に担当し、仕事には恵まれました。中でも、1985年「日航機墜落事故」、1986年「伊豆大島三原山噴火」のヘリコプターリポート、1991年「世界陸上東京大会」実況は非常に印象深い経験でした。


 ◆その後、人事部に長くいらっしゃったそうですが、就職に関して学生へのアドバイスはありますか。

人事部には35歳から通算10年半在籍しました。

大切なのは、まず「何を目的として社会に出て行くのか」を突き詰めて考え、コンセプトを決めることです。大金持ちになりたいのか、社会貢献したいのか、新しい価値を生み出したいのか。何でもいいのです。
因みに私の場合は「人の感情をくすぐる仕事をしたい」でした。ですから、結果としてコピーライターでもアナウンサーでもディレクターでも良かった。仮に教師になったとしても、その要素を満たすことは出来たかもしれません。コンセプトがぶれないことが重要だと思います。

また、就職コンセプトを固める際には、第三者の意見を訊くことをお勧めします。私の場合がそうであったように、自分が気づいていない自分自身の能力や適性に、友人や家族、恩師が着目しているかもしれませんから。


◆筑波大学は先日10月1日に開学40周年を迎えましたが、今後どのような方向に進むべきだと考えますか。

筑波大学には「母校愛ランキングNo.1」の大学を目指して欲しいと思っています。

大学を評価する際に、研究・教育水準やその環境、立地条件、キャンパスの雰囲気、難易度、良き師・良き友との出会いなど様々な指標があると思いますが、要するに「この大学に入って良かった!」というアツい思いが集まる大学こそ素晴らしい大学と言えるのではないでしょうか。

例えば、商品情報サイト「価格.com」の「ユーザーレビュー」のように、いくつかの評価項目に沿った定量的評価で大学を点数化し、更に学生・卒業生コメントで生の感想を知る事ができる「母校愛.com」みたいなWEBサイトを作ってみたら面白いんじゃないでしょうか。これを通じて大学の新たな価値基準を構築した上で、全国の大学を網羅し、その中で筑波大学にトップに立って欲しい。母校にはそういう大学であって欲しいと願っています。

今年、会社経営者を中心とした同窓会「筑波みらいの会」が発足し、活動を始めました。まさに母校愛の強い卒業生の集まりで、私もお手伝いしています。学生の起業支援が活動の大きな柱ですので、私の妄想する「母校愛.com」を実現してみたいという若者がいれば、是非お会いしたいと思っています。

※【筑波みらいの会の紹介記事】http://www.tsukuba.ac.jp/news/n201305291653.html

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