楜澤 悟 様【常陽新聞株式会社 代表取締役社長】

2015.12.09

楜澤 悟氏 プロフィール
名前:楜澤 悟(くるみさわ さとる)
常陽新聞株式会社 代表取締役社長
1971(昭和46)年 東京都出身
1993(平成5)年 東京工業大学工学部卒業、ペイン・アンド・カンパニー入社
1996(平成8)年 ソフトバンク株式会社入社
1998(平成10)年 クラビット株式会社取締役就任
2001(平成13)年 ビー・ビー・ケーブル株式会社取締役COO就任
2007(平成19)年 ユナイテッドベンチャーズ株式会社設立、代表取締役就任
2013(平成25)年 常陽新聞株式会社設立、代表取締役就任
翌年2月、旧・株式会社常陽新聞社から「常陽新聞」の題号を承継し第1号を発刊

◆常陽新聞とは
2014年2月に、旧発行会社から題字と社員を引き継ぎ、新会社を設立して新生「常陽新聞」を創刊しました。つくば市に本社を置き、県南地域に密着した地域メディアとして他紙とは異なる独自のカラーを出しながら、地元住民の方々に身近な話題をお届けする地域メディアです。
従来の紙面宅配に加えて、パソコン版やスマートフォン版も発行し、様々な年代の多様なニーズに応えています。原則日曜を除く毎日発行しており、対象エリアはつくば市、土浦市を中心に県南15市町村をカバーしています。

◆新創刊まで
独立以前に在籍していたソフトバンクグループで、衛星やブロードバンドを使った有料放送メディアの立上げと運営に携わりました。その後ITベンチャーを支援する投資ファンドの運営やコンサルティングを行う会社を東京に設立して経営してきましたが、ファンドの満期を機に次のチャレンジを探し、以前関わりのあったメディア事業に的を絞りました。中でも新聞業界は斜陽と言われて久しいですが、細かく見ていくと地域特化型の新聞のなかには部数を伸ばして利益を上げているところもあります。新聞が地域メディアとして生き残っていく可能性があるのではないかと考え、常陽新聞の新創刊に取り組む決断をしたわけです。
 常陽新聞紙面

◆つくばでの暮らし
創刊当初は東京の自宅からつくばへ通っていましたが、まもなく家族と共につくば市に転居してきました。週のうち大半をつくばで過ごすことになったため、時間の効率化の面もあるのですが、それ以上に地元密着を標榜する地域紙を経営する身として、一住民として地元に暮らし、リアリティを感じながら仕事をしたいと考えました。
日々暮らしていく中でつくばという街の成り立ちや、その結果としての街の雰囲気も徐々に理解できてきました。50数年前の閣議了解に始まり、国が主導してスタートした、他にはあまり例をみない街づくりや、30年前の科学万博の開催、10年前のつくばエクスプレス(TX)の開通によって東京との距離が縮まり、新住民の増加につながったこと。
駅周辺の近代的な風景と、そこから車で10分足らずの筑波山を望む田園風景の対照性。大規模ショッピングモールや各種ロードサイド店舗が立地して買い物にも便利で、また安価でおいしい農産物もすぐ手に入る。豊かな心を持ちながら暮らしていける街であり、この地が研究学園都市として選ばれた理由もよくわかる気がします。

◆筑波大学は街の中核
計画の当初から筑波大学が研究学園都市の中核をなす教育機関として位置づけられていたその成り立ちからみて、筑波大学とつくばという街は密接不可分であり、これまで共に歩み、発展してこられたのだと思います。
私は昨年より「学長を囲む会」にお誘い頂き、研究成果の講演や地元の各界の方々との交流をさせて頂きながら徐々に筑波大学のことを知るようになりました。特に、大学関係の方々が教育・研究面のみならずビジネス面にも深く携わっていることは、私の持っていた従来型の国立大学のイメージを大きく変えました。大学発ベンチャーの数では全国トップクラスの実績を出しているとも伺っており、先進的な大学のモデルを指向されていることを強く感じます。
この地域で仕事をしていると、様々な筑波大学OBの方々とお会いします。単につくばに立地しているからということではなく、地元企業や各種団体でも卒業生が多数活躍されていて、まさに街の中核をなす教育研究機関であると実感しています。

◆筑波大学への期待 〜多様性と一体感〜
つくばとその周辺は昔から代々この地に根差している住民と、研究者やその家族、更にベッドタウンとして県内外から転入してきた新住民、また外国人など、多種多様な人々が暮らす街です。これは筑波大学が掲げる「多様な価値観の尊重」とも合致します。他方、成立から比較的若い街であるがゆえに、街の一体感の醸成はこれからの課題といえます。
この一体感づくりに、筑波大学及びその卒業生や関係者の方々にぜひ貢献していただきたいと思います。筑波大学基金の支援内容にも、地域への貢献が謳われていることは心強く感じます。例えば筑波大学発のベンチャー企業が成長し、地域に根差した雇用創出が行われ、この地で生まれ育った新世代が働く場所を得ることで、更に街が発展していく、そんなサイクルの核になって頂きたい。私自身もこれまでベンチャー支援にも携わってきたので、これからは大学発、地域発のイノベーションの促進などもサポートしていきたいと考えています。

◆今後の目標
地域メディアの発展は地元の活性化と共にあります。地元の方々が地域で起きている様々な出来事に関心を持ち、自らも関わりながら地域と交わっていく、そうした活動をメディアとしてサポートしていくことも我々の重要な役割であると考えています。地域メディアとして様々な立場の人たちを結び付けるハブになることが、私たちの今後の目標の一つです。

PAGE TOP