私たちは、成熟社会の時代に入り、これまで経験したことのない困難な課題に直面しています。大学は、新しいことに挑戦し未踏の領域を開拓すること、質の高い教育・研究を通じて先端的・独創的な知を創出し、また次世代を担う卓越したグローバル人材を育成して、困難な課題に解決策を求め、未来を切り開いていくことを使命としています。
この使命に基づいて、わが国の再生と持続的発展を実現するために、卓越した教育の実現と人材育成、学術研究の強力な推進、地域振興の中核拠点としての貢献、積極的な国際交流と国際貢献活動の推進という大学が果たすべき四つの機能強化が期待されています。
筑波大学基金は、将来の社会を背負って立つ能力や意欲のある若者への経済支援や国際交流支援に加えて、学術研究支援や地域への貢献活動を支援し、大学と社会との繋がりの強化を目指します。
筑波大学基金は、皆様のご寄附によって運営する基金です。大学が皆様のご支援のもとに公共的な役割を着実に果たした成果は、将来社会に還元されます。
また、筑波大学基金は、日本の社会が伝統的に大切にしてきた「支え合いの文化」を体現する場でもあると考えております。
皆様におかれましては、筑波大学基金の趣旨をご理解いただき、何卒、格別のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
その船に、彼らを乗せて。
かつて私たちは、同じひとつの船に乗っていた。
私たちと同じ数の「希望」を積み、目指したのは「未来」だった。
それから何年が経ったろう。10年、20年、あるいは30年。
現在いる場所はそれぞれでも、あの日々に感じていた不安や焦燥、
けれど前へ前へと走る推力、そして風の匂いを忘れない。
忘れないなら、友よ。親愛なる、卒業生たちよ。
そして名誉ある前史を築いた先輩がた、懐かしい地域のみなさん。
TSUKUBAを見守る多くの人々に、このメッセージを届けたい。
あなたのちからを、すこし貸してください。
いまも走りつづけるその船の、応援クルーになってほしい。
こんな経済の雲ゆきだから、それが理由で、それが支障で、
乗船をためらう、心優しき若者たちがいるなら。
海外を体験させたい、海外から招きたい若者たちもいるから。
彼らにこそ、TSUKUBAよ、開かれてあれ。未来よ、開かれてあれ。
かつて私たちを乗せた、その船に、彼らを乗せて。
一倉 宏(人文学類・第1期卒業)
「TSUKUBA FUTURESHIP」は筑波大学ブランディングのスローガン「IMAGINE THE FUTURE.」の「FUTURE」と奨学金(Scholarship)の「SHIP」を組み合わせた造語で、さながら多くの若者を乗せた「未来船」もイメージしております。