確かに生物学類卒業ですが、筑波大学には陸上競技部を目当てに入学しました。
高校の先生から「筑波には村木先生という陸上競技で日本一の先 生がいる。ただし、陸上競技の振興を図るなら専門外から発言した方が効果的なので、体育専門以外に行け」と指導されたのです。それとは別にバイオテクノロ ジーなどという言葉が流行り始めた頃で、生物学にも大いなる将来性を感じていましたので迷わず生物学類を選びました。
当時の筑波の陸上競技部は本当に強く、同学年だけで日本記録樹立者が3名もいました。特に跳躍ブロックでインターカレッジのレギュラーになれば3名 全員が入賞し、オリンピックや世界選手権の後には学内で反省会が開けてしまうような状況でした。そこまで強い選手でなかった私には、どんなハードな練習に も耐えられましたが、劣等感がつらかったです。
今となっては、あの超エリート集団で練習できたことや、三段跳びの日本記録保持者である山下訓史君などと今も年賀状のやり取りができることを誇りに思っています。
相続したお金を元手に設立しました。この団体では、母親の遺言「才能のある若いピアニストにはできるだけ早い時期から海外体験を積ませて欲しい」を 実行しています。両親は元々決して経済的に恵まれていた訳ではありませんが、ものすごい節制をして貯めたお金を相続した訳ですから、私も1円たりとも無駄 に使えません。
そもそも経営者って、お金を稼ぐのが好きな人種なんだと思います。普通の人にとって「稼ぐ」のは、自分が使うお金を獲得する「手段」かもしれません が、私にとって稼ぐことは「目的」なんです。たとえば、「食べる」という行為がエネルギー摂取の手段でなく、食べたいから食べるのと同じです。事業で「稼 げている」という状況は、お客さんのニーズを満たし、無駄なく事業を運営できていることの証です。でも、やっぱり消費はあまり好きではありません。「寄付 する」という行為は、飽食の時代に健康のためにジョギングすることにも似ています。そして、せっかくなら意味のあることや「縁」のあるところに寄付した い。親の名前がついた財団を設立し寄付することは親孝行の活動です。
これからの時代、日本人も寄付する快感を覚えると予想しています。ですから、筑波大学連携・渉外室には1円でも多くの寄付金を集めて欲しいです。 ハーバード大学は、元々イギリスの官立大学でしたが、ハーバードさんが多額の寄付をして私立になったそうです。極端な話、数千億円の寄付金が集まれば筑波 大だって私学化は夢ではありません。私自身、今すぐ孫正義さんように多額の寄付金は出せませんが、少しずつ寄付して貢献したいですし、皆さんがもっと寄付 するよう働きかけたいと思っています。(※)
また、大学発のベンチャーなどに優先的に出資させてもらえる仕組みがあればありがたいと思います。個人的に藻類を使ったエネルギー開発などには大いなる将来性を感じています。ITの次はエネルギー技術がホットです。
多額の寄付金が集まれば、優秀な人材に授業料免除枠を増やすこともできます。東大のように優秀な人材が数多く入学する大学になれば、筑波大のOBとしては誇らしいですね。どうぞよろしくお願いします。
※微力ながら、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会でもCrossGivingを通じて音楽活動に寄付が集まる仕組みを始めています。