以下、◆関正樹様、○筑波大学
○この度は本学第2サッカー場の改修工事に関するご寄附を戴き、誠にありがとうございました。この1億5000万円相当のご寄附によりサッカーの国際試合が行われるスタジアムでも使用されている世界最高水準の人工芝の敷設をはじめ、ポールやフェンスなどの周辺環境の整備も行い、4月末頃の完成を目指します。
◆当社は地域の会社として常々筑波大学の仲間の一員となりたいと考えていました。そんな中で設置後40年余りが経過する本グランドの老朽化のお話をお聞きしたうえで、「開かれた大学」という筑波大学の理念にもかなうと思い寄附させていただきました。
○はい、第2サッカー場は体育の授業やアメリカンフットボール部などの部活動、スポーツ・デーなどの学内行事の他、一般開放などにも使用してきました。
◆少年サッカー教室や、地域の学校や住民の運動会など市民に向けた開放もこれまで以上にお願いしたいと思います。関彰商事の運動会も是非やりたいですね。単なる運動会ではなく、スポーツ科学やスポーツ医療を取り込んだものなども面白いかもしれません。
○名称も新たに「筑波大学セキショウフィールド」となる予定です。
◆大学で学ぶのは学生だけでなく地域の住民や企業にとってもいろいろと教えていただくことがあります。これを機に筑波大学との連携を深めて、より一層の地域への貢献を行っていきたいと考えています。
○御社は本グランド以外でも本学に対していろいろとご支援、ご協力をいただいております。例えば関彰育英会。平成27年度は3名の博士課程学生を奨学生としてご採用いただきました。
◆関彰育英会は昭和59年に設立しました。当初はご家庭の経済的事情により茨城県内の高校から大学への進学が困難な方を対象に、毎月3万円の給付型奨学金としてスタートしました。それが大学院後期博士課程に給付する現在の形に移行したのは平成17年からです。当時筑波大学関係者から博士課程でエビの研究をしている人を紹介されたことがきっかけです。彼から、「関彰商事で奨学金があると伺いました。僕非常に苦しいので是非その奨学金に申し込みたいのですが。」と言われましたが、「高校生が対象だから、残念だけどその奨学金は君には支給できないんだ。」と答えました。ただよく調べてみますと、当時の当社がやっていたような奨学金は他にもあるのですが、博士課程で専門を極めようとしている人は時間もなく生活も苦しい人が多い割に奨学金は余りない。社会的ニーズも強いのではないかと思い、今の形に切り替えました。
○現在の形に切り替えてちょうど10年ほど経過しますが、成果はいかがですか。
◆ここ(関彰商事つくばオフィス)にはギャラリー・スペースがあり、この4月からスタジオ’ S with T(仮称)としてリニューアル・オープンする予定です。Sは関彰商事のS、そしてTは筑波大学のTなのです。というのは筑波大学芸術系の五十嵐浩也先生とその学生たちに企画してもらっています。その学生の2人が当社の奨学金の受給者です。2ヶ月毎のスパンで学生たちのアトリエ、地域の方のワークショップ、子供たちの展示会など様々な企画を立案してまわしていくように聞いています。
○そういう場を提供していただくこと、そういう企画立案をさせていただくことは、学生にとっても地域の方々と交流できる機会ができることであり、とてもありがたく思います。
◆私はそのような交流の場を提供したいと思っています。例えば筑波大学には学生寮や教職員宿舎がありますが、それぞれが交わることは余りないと思います。研究者や学生、企業従事者、地域住民などそれぞれの人が交流できる場、サロンや会館みたいなものも将来的には提供できたらいいなと思っています。
○そのような地域交流、地域貢献という意識から、つくばマラソンの協賛や給水ボランティアなどの活動もされているのですね。
◆つくばマラソンの協賛は第1回からやっていますので、昨年で35回です。景気の浮き沈みでスポンサーの数も増えたり減ったりしましたが、当社は継続してずっとやっています。給水ボランティアに関しては、社員が100人程協力しています。エントリーして走っている社員も毎年10人位います。
○協賛といえば茨城県科学技術振興財団主催で、本学第5代学長でもある江崎玲於奈先生に因んだ、江崎玲於奈賞への単独協賛もされています。
◆はい、この賞はナノテクノロジー分野において顕著な研究業績を挙げた者を顕彰する賞として創設されました。ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈先生が筑波大学学長をされ、つくば市に居を構えられ、つくば市のイメージ向上に多大な貢献をされていることの謝意の意味も込めて協賛させていただいております。江崎玲於奈賞を受賞した方々のラボに地域の学生を招待することも実施しております。
○本学では「筑波大学基金」という基金を設けていますが、御社も「セキショウふれあい基金」があるそうですね。
◆平成11年4月に設立しました。社員と会社が協力して出資しています。約1,600名の社員有志から毎月100円拠出してもらい、それと同額を会社も拠出するという仕組みです。毎年300〜400万円程度の資金が集まり、身近な社会福祉活動団体などへ寄贈しております。
○最後に関社長から、将来を担う学生に対してメッセージをお願いします。
◆先日1月21日の筑波大学第2サッカー場改修工事起工式の後に永田学長とお話しする機会をいただきました。その中で印象的だったのが、「筑波大学を通して世界へ出て行ってください」という言葉です。「そうか、筑波大学はドラえもんのどこでもドアなんだ」とその時思いました。こんな身近にこんな大学がある。学生の皆さんも今通っている目の前にある筑波大学を通して世界へ羽ばたいてください。