人文・文化学群人文学類 泉亜夢さん

2012.11.15

留学生センター主催 夏期英語研修
体験談:トンプソン・リバース大学 (Thompson Rivers University, カナダ)

 

サウス・トンプソン川.jpeg
【カムループの街に沿って流れる、美しいサウス・トンプソン川】

今年の7月9日から8月4日の約1か月間、私はカナダのカムループスという街で過ごしましたが、ここで過ごした時間を、私は一生涯忘れないことでしょう。
私にとって、今回の英語研修は初めての海外経験で、出発前には、期待と同じくらい大きな不安も抱えていました。というのは、私の英語力は人並で、過去に海外の人と英語で話したという経験もほとんどありませんでした。自分の英語がどこまで通じるのか、英語でコミュニケーションをとることができるのか、そういった不安を最初に取り除いてくれたのは、現地のホストファミリーでした。私を温かく迎え入れてくれたホストファミリーはフィリピン系で、両親と子供3人の5人家族という構成でした。また、留学生として、韓国からの女子学生も一人同居していました。私のホストファミリーは、私が家族の一員になった日から、研修が修了し別れる日が来るまで、毎日毎日辛抱強く、私の話し相手になってくれました。彼らは私が理解するまでゆっくり、時には、簡単で分かり易い単語を使い話しかけてくれました。週末には、市内の観光地や近くのケローナというきれいな街に行き、またキャンプにも連れて行ってくれました。そうした彼らの優しい人柄のおかげで、私の中にあった英語に対する不安は次第になくなり、1か月後の帰国前には、当初、私が漠然と持っていた英語への不安はすっかり消え、それが親しみと自信に変わっているのに気づきました。

ホストファミリーについて語り出すと際限がないので、大学での話に移ります。大好きなホストファミリーと一緒に過ごしつつ、私は、留学生センターが主催する研修プログラムのひとつであるトンプソン・リバース大学(Thompson Rivers University, or TRU)での研修に参加しました。ここには、日本以外にも、メキシコ、韓国、ロシア、ベルギー、サウジアラビアなど、様々な国々からの学生が同じプログラムに参加しており、とても国際色豊かな環境でした。まず、第一回目の授業が始まる前に、各自の英語力を判断するプレイスメントテストがあり、これによってクラス分けがなされました。1クラス約20名で、どのクラスにも先生と助手が一人ずつついて教えてくれました。先生と学生たちの距離は近く、授業内容を理解できない学生が一人でもいれば、先生や助手、時には、学生たちが分かりやすく丁寧に説明をしてくれました。

 

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【親切な先生と助手、そして愉快なクラスメイトたち】

トンプソン・リバース大学の研修プログラムの最大の特長は、研修の一環として、様々なアクティビティが組み込まれていることです。カヌー、乗馬、工作、プール、動物園へ行くこと、蒸気機関車に乗ること、映画鑑賞(もちろん字幕なし)など、私たちは、カナダの大自然を満喫すると同時に、英語に触れられる様々なアクティビティに参加することができました。私にとって、個人的にとても思い出深いのはカヌーで、湖の上をカヌーでのんびり漂いながら、眺める周りの景色は最高でした。カヌーでゆったりと湖上を漂っていたところ、クラスメイトから水をかけられるという襲撃にあったのもよい思い出となりました(注:これは実際には危険なので、もしカヌーに乗る機会があっても、水のかけあいは止めましょう)。このようなアクティビティを通して、クラスメイトとの距離は一層縮まり、研修最後の日には、先生、助手、クラスメイト全員にメッセージを私のノートに書き込んでもらいました。このノート、そして一か月間、カムループスで書き続けたカナダ滞在日記は、今では、私の大切な宝物のひとつとなっています。

今後、留学生センター主催の海外英語研修に参加する人たちへのアドバイスを記します。まずは、英語は「研修先で勉強する」というよりは、「日本で勉強したことを研修先で試す」と考えたほうがいいということです。日本で自分が準備した英語力で、現地の人とコミュニケーションをとろうとすることが大事です。自信がなくても、とにかく「コミュニケーションをとろう」という気持ちをしっかりと持つことが何よりも重要です。研修先で、私はよく“Don’t be shy !”と皆に言われましたが、英語に自信がなくても、恥ずかしがらずに勇敢にチャレンジして下さい。相手と会話をしたいという強い気持ちがあれば、少ない語彙でも、相手に自分の気持ちを伝えることはでき、また、これを繰り返すことによって、自分の中に、「異文化の中でもやっていける」という自信がついて来ます。

研修先では、机に向かい、一人で英語を勉強する時間も十分ありますが、折角、生の英語が満ちあふれている地を訪れたからには、実践的な英語を使うことのほうが数倍大切です。“Don’t be shy !”恥ずかしがらずに、どんどん英語を使って下さい。また、皆様もFACEBOOKをご存じでしょう。多くの研修参加者はこのSNSを利用し、コミュニケーションをとっており、研修先で知り合った友達と、研修後も、連絡を取り合うためにFACEBOOKを利用することをお進めします。研修先では、自分が思っている以上に様々な国々の人たちと友達になれますが、その友人たちとの交流を継続させるためにも、FACEBOOKなどの連絡手段を確保しておくのがいいでしょう。

ここからは、今後、トンプソン・リバース大学での研修に参加する人たちへのアドバイスです。カムループスはとても日差しが強く、帽子とサングラスは必須アイテムであり、しかも、湿度が低く乾燥しているので、保湿クリームがあるととても便利です。また、昼間は日差しが強いのに対し、夜間は寒くなり上着が必要となります。カムループスが位置するカナダ内陸部の気候は日本の気候とかなり違うので、渡航前、ガイドブックなどで詳細に調べておくことをお進めします。トンプソン・リバース大学での研修には水着も必需品です。というのは、大学には大きなプール場があり、そこには、ウォータースライダー、温水プール、サウナなどの設備が完備され、授業終了後、友達などと利用することで、心身ともに充実した日々が過ごせます。また、大学のプール場以外でも、市内には、サウス・トンプソン川沿いにビーチなどがあり、友人やホストファミリーと遊びに行くこともできます。このように、カナダの夏を思い切り楽しむためにも、水着を持って行かれることを是非お進めします。

以上、報告文とも感想文とも言えない稚拙な体験談となりましたが、海外での英語研修はとても楽しくかつ有意義であることから、未だ海外へ一度も行ったことがない人、英語をもっと上達させたいと思っている人、一時的に英語学習へのモーチベーションが下がっている人などに対し、私は海外での英語研修に参加されることを強くお進めします。私が体験したように、英語という言葉を使って、忘れられない思い出と切れない大切な縁がきっと生まれ、そして英語が大好きになることでしょう。今、海外での英語研修に参加しようかどうか迷っている皆様、是非とも参加し、数多くの素敵な思い出を作って下さい。
 
最後となってしまいましたが、今回、留学生センター主催の英語研修に参加した学生は、「筑波大学基金」より奨学金の支援を受けました。その支援は寛大なものであり、私自身を含め、多くの仲間がこの奨学金により、有意義に研修を送ることができました。この奨学金の存在は、私たちにとって本当に有り難く、かつ心強いものでした。「筑波大学基金」に寄付して下さった方々や団体の皆様に、心から感謝申し上げるとともに、今後とも、私たちの後輩のための支援をよろしくお願い申し上げます。卒業後は、私自身も微力ながら基金を助ける側として、積極的に協力していきたいと考えております。