体育施設へのご寄附

・「筑波大学蹴球部」https://www.tsukubashukyu.com/
・「筑波大学陸上競技部」https://tsukubathletics.com/
・蹴球部のクラウドファンディングhttps://readyfor.jp/projects/tsukubashukyu

 

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昨年度、蹴球部の第一サッカー場人工芝全面改修および陸上競技部の陸上競技場の公認認定に必要な資金を獲得するため、学生主体で寄附金募集活動を行いました。

結果、蹴球部が約5,000万円のご寄附、陸上競技部は約1,500万円のご寄附をいただきました。

今回、寄附金募集活動を担当していた蹴球部の橋本寛人さん、林田息吹さん、陸上競技部の伊藤海斗さん、佐藤大洋さんの4名にお話を伺いました。

クラウドファンディングでのご寄附1,845万円を含む。

 

蹴球部、陸上競技部は昨年度改修したということですが、改修前の状況や改修のきっかけについて教えてください。

橋本 前回第一サッカー場を張り替えてから11年が経ってかなり老朽化していました。芝生がかなり短くなっていたことやクッション性が危険というテスト結果もあって、サッカーに真剣に打ち込むのに適さない環境でした。雨が降ると水溜まりが全面にできて練習もままならない状況でした。

林田 日本サッカー協会が提示するグラウンド基準値を満たしていないことが2022年時点で分かっていたところに、2023年の関東大学サッカーリーグという通年のリーグ戦がホーム&アウェイ開催になることがほぼ決まっていたことが重なり、このグラウンドでリーグ戦を十数試合行うことが可能なのか、そこが一番の改修するきっかけでした。そのような状況で、足首の捻挫や膝の怪我の事例は確実に増えていて、グラウンドが良かったら怪我していなかったのにという場面は何回かあったので、本当にギリギリでサッカーをしていたと思います。

伊藤 陸上競技は関東インカレ、全日本インカレなどの大きな大会に出場するための参加資格の記録が必要で、その記録は公認である競技場、競技会で走った時にしか得られません。筑波大学の陸上競技場は茨城県公認なので公認記録が取れるのですが、公認であり続けるためには5年に1回認定を受けて更新する必要があります。今回は公認記録を得ることができる競技場として認定更新するために指摘箇所であったすり減っていた第一レーンのトラック円周など色々改修しました。

佐藤 「筑波大学陸上競技会」というずっと続いてきた競技会があって、それは地元の中高生、社会人の方も出場できるので、筑波大学はずっと地域の方々へ貢献してきていました。今回、認定更新しないと地域の方々にも貢献できなくなり、これは問題だと陸上競技部で考えていました。また、近くで気軽に公認記録が取れるということは選手たちもコンディションの調整がしやすいなどパフォーマンス面のメリットがあります。以上の理由から改修工事をしようという判断になりました。
 

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今回の改修は部員自らが主体となって活動し寄附金を集めたとお聞きしています。寄附活動の担当になった時の心境や活動内容を教えてください。

林田 最初に話を聞いたのは2022年の1月末で、国立大学の施設なので、大学が改修するのが普通なんじゃないのというのが率直な感想でした。200人くらい部員がいるのですが同様の声が多くて。ただ蹴球部としてはグラウンドが生まれ変わるのはありがたい話だったので、30名程のプロジェクトチームを立ち上げて、小井土正亮先生(※蹴球部の監督)や自分たちが大学の置かれている状況を部員に説明して、部員たちのモチベーションづくりをした結果、上手く活動できたと思います。

橋本 やはり最初は全員が同じ方向を向いていなかったなと思っています。プロジェクトメンバーを中心に活動をしていることが少しずつ浸透してきて、いざクラウドファンディングが始まると、ありがたいことに当初1,000万円目標にしてスタートしたところ3日で約300万円のご寄附をいただいて、皆応援されていることを実感しました。最終的に部員全員が活動に協力して、より結束力が強まったと思います。

伊藤 僕は昨年10月末に監督から陸上競技場の改修にお金が必要であることを聞きましたが、一昨年は大学の予算内でおさまっていることを知っていたので今回も何とかなるだろうと思っていました。ですが11月3日に、部全体に改修がシーズン中に終わるためにはこれから2週間で3,000万集めなければならないと連絡があって、皆困惑していました。チラシを急いで作成し、それをInstagramやTwitterで拡散して、やれることはやろうというのが始まりです。1週間経ってご寄附はかなりいただいたのですが、3,000万という金額にはかなり程遠い状況だったので、正直これ無理なんじゃないかなと思っていました。

佐藤 話が急だったので、最初僕ら幹部部員や他の部員の理解が追い付かなく、寄附活動への意思統一を図るのが難しかったです。僕は12月から主事の任期がスタートしましたが、11月末頃に当時主事だった伊藤さんからミーティングの出席依頼を受けて参加したところ、現状を知って、このままではあかんぞと思い、各種目のブロック長を通じて部員への周知をしました。ですがあまり効果がなくて、蹴球部さんも話していたように「なぜ自分たちが?学費も払っているし。どこから集めるのか」という意見もあり、12月頭に臨時の全体集合を開いて先生の口から、国からの大学予算が削られていることや寄附状況の説明、質疑応答をしてもらいました。これによって理解も深まり、部内でも寄附活動への積極性が高まっていったと思います。

佐藤 陸上競技部は寄附活動の話が急に降りてきたため、準備が足りずクラウドファンディングは辞めようとなったのですが、蹴球部はクラウドファンディングをどうしてやろうと思ったんですか?

林田 クラウドファンディングをやる理由は、改修に1億円くらい必要で、学生が集めたお金と同等の金額は大学から支援してもらえると聞いていたからです。クラウドファンディングのメリットは普段蹴球部に直接関わっていないサッカーファンや一般の方々からご支援いただけること、より多くの人に周知できる良さがありました。基金はOB・OG、大学関係者などをメインに集め、クラウドファンディングは一般の蹴球部を応援してくださる人たちから集めようという棲み分けをしました。6月3日にスタートしたのですが、2日前の6月1日に天皇杯のJ1の柏レイソルと対戦する機会がありました。スタジアムに「イチグラを聖地に」という横断幕を張りだし、広報した結果、約1か月で目標の1,000万円を達成しました。まだ1か月期間が残っていたので、READYFORの方や小井土先生と話して、もう一段階上を目指そうと+1,000万の合計2,000万を7月末の最終目標として、改めてスタートしました。

橋本 2,000万円がネクストゴールになったとき、2人でちょっと燃料切れになっちゃって。残り2週間くらいになった時にこのままだと達成できないと小井土先生と話して、部員でもう一回マインドセットするために緊急ミーティング開きました。

林田 最終的には2,000万円は達成できなかったんですけど、残り2日で一気に増えて、1,800万くらいまで行きました。毎日夜にTwitterのスペース機能でラジオ配信のようなものを行って、クラウドファンディングの終わる瞬間をラジオでみんなで迎えるということをやっていました。終わった瞬間のやり切った感は部員みんなすごく感じたと思います。

橋本 本当に最後の勢いはすごくあったと思います。駆け抜けた感じ、目標は届かなかったけどかなり充実感はすごい、やれることはやったかなって。陸上競技部さんはどのくらい集まったんですか?

伊藤 11月頭から開始して、最初2週間でしたけど12月20日くらいだったかな、期間が延びて、約1か月半で1,500 万円ご寄附いただきました。蹴球部さんとは違い、最初のスタートダッシュが150万円とそんなでもなかった、ラスト2週間から段々300万円、500万円と増えていきました。

橋本 最初言われた2週間が経ってしまった時焦りましたか?

伊藤 期間終わったけどどうする?となりましたけど、絶対いつかはやらないといけないので、4月には間に合わないけど継続してやろうと。

佐藤 ぶっちゃけ難しいことが分かっていたから特に驚かなかったけど、焦っている感じもなかったです。最初3,333万円改修費用がかかるところ2,000万円になるよう交渉したので、蹴球部さんの改修費用約1億円はすごっ!という感覚です。

最後に一言お願いします。

橋本 今回のサッカー場改修は筑波大学蹴球部の今まで積み上げてきた伝統・歴史の上に乗っていることを感じています。成績を残したり、有名な選手を輩出したりといったこれまでの積み重ねが今回ご支援いただくための大きな強みだったと思います。特にOBの皆様には毎年ご支援をいただいているところに今回のご寄附もいただき、とても感謝しています。今年はホーム開催の試合があり、活躍の場を見せる機会が多くあるので、蹴球部を応援してくださるファンを増やしていきたいです。ファンが増えれば大学を盛り上げることもできるし、知名度にも繋がり、またそれが今後のグラウンド改修支援に繋がると思うので、OB・現役部員という内側だけでなく外側にも広げていける活動ができたらなと思います。 

林田 筑波大学創基151年開学50周年という節目、グラウンドの劣化も含めた様々な縁が自分たちの代に重なった中で、今回貴重な経験をいただけたなととても感謝しています。大学を応援したい気持ちがあって支援してくださった方が多くいらっしゃると思うので、競技結果はもちろんのこと、一学生として普段の活動、そして今回経験させていただいたものを将来に活かしていきたいです。今年、蹴球部はホーム&アウェイ開催で、生まれ変わったサッカー場で10試合を開催します。前回の試合では約900人の観客が来場しました。地元の子供たちがここでサッカーを楽しんでまた筑波大学に来たいと感じたり、蹴球部に入りたいと思ってもらえたりするように頑張っていますので、是非週末に足を運んでいただけたらと思います。

伊藤 今回の改修の件で本当に多くの皆様からご寄附をいただいて本当に感謝しています。僕ら陸上競技部が応援されているという自覚を持つことになった良いきっかけにもなりました。今後、寄附者の皆様への感謝の気持ちを忘れることなく、部員全員が自分の目標に向かって、それがまたチームの目標に繋がるようなパフォーマンスとなるように頑張っていくので、これからも応援よろしくお願いします。

佐藤 寄附者の皆様、日頃からのご支援、そして今回の改修のためご支援をいただきありがとうございます。陸上競技会に出られるかどうかは大きな問題なので、学内で競技会を今後も開くことができ、みんなすごく嬉しく思っていますし、とても感謝しています。その気持ちを忘れず、競技会が開けることが当たり前ではないぞということも念頭に置いて、全力で練習・試合に打ち込んでいきたいです。そして結果で返せるように、関東インカレ、日本インカレで男女総合優勝に向けて、感謝の気持ちを忘れずに頑張っていきたいです。

皆さんありがとうございました!

蹴球部、陸上競技部にご寄附いただいた皆様、ご協力いただきましてありがとうございました。
 

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